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泊里 治夫*; 枡形 剛*; 下郡 一利*; 和田 隆太郎*; 本田 明; 谷口 直樹
JNC TN8400 99-076, 100 Pages, 1999/10
高レベル放射性廃棄物の地層処分においてオーバーパックの候補材料のひとつであるチタンの水素吸収挙動に関して、模擬地下水中でのベントナイト、印加電位、溶液のpH、陰分極試験時間の影響を検討した。水素吸収量の時間依存性を基に、水素吸収が放射物線則に従うと仮定して求めた水素吸収速度式から算出した1000年後の水素吸収量は、水素平衡電位近傍である-0.51Vvs.SHEでは約17ppmとなった。単位面積あたりの水素吸収量と平均の電解電流の対数との関係は直線性が得られ、水素吸収量の放射物則および今回行った程度の試験時間からの評価の妥当性が確認された。また、チタン中の水素量が約500ppmを超えた時点が脆化に対する臨界値と仮定した場合、チタンは地層処分環境下では1000年以上の寿命を有すると推察された。
和田 隆太郎*; 西村 務*; 藤原 和雄*; 降矢 喬*; 田邉 誠*
PNC TJ1058 97-002, 430 Pages, 1997/03
TRU廃棄物を構成する金属材料の腐食による水素ガス発生量を定量的に評価するための第1段階として、ハル・エンドピースの構成材料であるジルカロイ及びステンレス鋼の処分環境下における腐食機構や水素ガス発生挙動等について文献調査を行うと共に、これらの試験片について密閉容器を用いて還元条件下で海水系模擬地下水(pH10、12.5)中に浸漬して(30、50)、水素ガス発生量の経時変化を180日間に渡って測定した。併せて、浸漬試験前後の試験溶液や試験片について各種分析を行った。(1)ジルカロイ-4の腐食による水素ガス発生量から算出した等価腐食速度(Zr+2H2OZrO2+2H2と仮定)は、大略10-410-3m/yのオーダーであったが、PH12.5の強アルカリ性溶液中では醋イオン(HZrO3-)の生成に起因すると考えられる腐食速度増大の可能性が示唆された。(2)ステンレス鋼(SUS304)の腐食による水素ガス発生量から算出した等価腐食速度(3Fe+4H2OFe3O4+4H2と仮定)は、pH12.5の強アルカリ性溶液中では大略10-410-3m/yのオーダーであったが、pH10の溶液中では、孔食状の局部腐食の発生に起因すると考えられる等価腐食速度の増大が、特に50の試験において明瞭に認められた。(3)今後の検討課題以上の研究結果より今後検討すべき課題としては、超高アルカリ性溶液中のでの腐食による水素ガス発生挙動評価、還元条件下におけるステンレス鋼の局部腐食挙動評価、長期に渡る水素ガス発生挙動評価試験、材料側因子の影響評価等が挙げられた。
熊田 政弘; 村岡 進; 柳田 剛*; 降矢 喬*; 泊里 治夫*; 藤原 和雄*
JAERI-M 86-045, 18 Pages, 1986/03
高レベル放射能性廃棄物地層処分の安全性評価研究の一環として廃棄物個化体容器用金属材料として候補に挙げられているSUS304、SUS309Sステンレス鋼の2鋼種について鋭敏化処理した試料を用い、模擬処分環境下での応力腐食割れに及ぼす線照射の影響に関する試験を行った。線照射にはWASTEFのCs線源とJMTRの使用済燃料を用いた。その結果、模擬処分環境とした花崗岩小塊を含む模擬地下水中および湿潤ベントナイト中においてSUS304ステンレス鋼には応力腐食割れ感受性が認められたがSUS309Sステンレス鋼には認められなかった。一方、比較のために行った純水中での応力腐食割れ試験では2鋼種とも応力腐食割れ感受性を示さなかった。なお、本研究は日本原子力研究所と(株)神戸製鋼所とにおいて共同にて実施されたものである。